ブラック企業の源流を辿ると旧日本軍に行き着く

これは俺が考えた言説じゃなくて、元々そう読み解く人がチラホラいた。考えれば考えるほど、全くその通りとしか思えないので俺もそう考えている。

日露戦争の頃、日本兵の士気はそれほど高くなく、現場放棄・敵前逃亡などが大きく問題になったそうだ。そしてその反省を活かし、「人の命は馬よりも軽い」「特攻して玉砕せよ」「国のために美しく散れ」という洗脳を徹底的にやって臨んだのが太平洋戦争だった。

それはそれは大変なことに、国を挙げて徹底してやった。子供の頃から徹底的に叩き込まれた。社会にはプロパガンダが溢れ、極端に全体主義で脅迫的な価値観が植え付けられた。全て富国強兵のための、国家によるキャンペーンだ。

社会がそれ一色に染まっていた時期がずっと続いて、その中で子供時代を過ごした人からすれば、それが当たり前だしそれ以外を知らない。戦争が終わってもずっと尾を引くのも無理はないだろう。そしてこれは良くできたミームとして世代間伝播し、ブラック企業の源流となったのだ。別の言い方をすれば虐待の連鎖のようなものだ。苦しめられた人は次の世代を「同じやり方で」「自主的に」苦しめ始める。

ちなみに言えば、あのブラック国家北朝鮮の源流もやはり日本にある。昔を知る老人はすぐに気付く事だが、北朝鮮は気味が悪いほど軍国主義時代の日本にそっくりで、現人神のように祭り上げられる金総書記は明らかに天皇の模倣だった。近年ではそろそろ独自の進化を遂げているように見えるが、僕らが子供の頃の北朝鮮といえば正に「昔の日本」を滑稽にしただけの存在だった。当時日本の統治下にあった北朝鮮にもこのブラック国家ミームが伝播し、未だに生き続けているのだ。

余談だがおそらくこの先の展開も同じだろう。もしも北朝鮮の体制が崩壊したとしても、国民のメンタリティがすぐさま変わるわけではない。そのあとは雨後の筍のようにブラック企業が乱立するだろう。丁度戦後の日本がそうだったように。「彼らはそのやり方しか知らない」からだ。

つまり、日本人は元々人命を大切にしない民族だった、みたいなことを言う人もいるんだけど、俺が思うに、やはり第二次大戦を境にこうなったのだと思う。高々ここ70年くらいの話だ。

「元々こうだった」という考え方は、昔からこうだったから永遠に変えられない、元来こうなのだからそれを受け入れるしかない、という諦めに繋がってしまう。でもちょっと待てと言いたい。元々という言い方をするなら、多分、元々日本人はもっといい加減だったのだろう。敵前逃亡するいい加減な日本兵の姿というのは少し新鮮な気もする。でも多分それが本来の日本人の姿なのだと思う。まあ、知らんけど。