女性専用車両

こんなツイートを見た。

そもそも「お前らどうせ痴漢しちゃうから」という理由で女性専用車両が用意されてるのって物凄く不名誉なことだよね、と初めて思った。

一方で、あれだけ人権を無視した鮨詰め状態では、自分の意に反して接触することもあるのだから、本来銭湯のように男女別になっていて然るべきだ、という考え方もそれはそれでごく自然な答えだと思う。(イギリス人は鮨詰め状態を想定せずにこの議論をしているんだろう。)

実際のところ完全に男女別にすれば良いと思う。男性専用車両も用意して欲しい。7人掛けだと左右の奴と肩がぶつかるので5人掛けくらいにして欲しいし、顔にぶつかるから低い吊り革もやめて欲しい。車両のデザインは「どんな人が乗るか分からないけどなるべく弱者にも配慮して設計しなければならない」という要件があるはずなんだけど、男性専用・女性専用に絞れるならもう少し改善できるはずだ。

 

しかし現状、あんな奴隷船みたいに一度に大量に運べば運賃:コストのパフォーマンスは破格に良いはずで、日本の奴隷たちがそれに文句も言わずに乗ってる以上、JRからしたら知らん顔してこの状態を維持するのが最も得だろう。(男性専用車両のために再設計・開発するなんてそんな無意味で金のかかること真っ平御免だろうし勿論それも実現しない。)のらりくらりと鮨詰め運用を続け、痴漢を放置し、この状態でうまい汁吸ってるJRが一番悪い。

もう一つ、いくら鮨詰めでも接触を避けようと思えば避けられるし、自分の意思で触らなければ絶対に痴漢は発生しない。痴漢はあくまで痴漢が悪い。

でも捕まらない公算が高いならやるだろうし、捕まえられないから無くならない。それが人間というものだ。

 

ところで「痴漢が可能となる場を提供した」というのは罪に問えないのだろうか?「女が売春することを知りながら個室を提供した疑い」で売春防止法違反になり逮捕、というのは良く聞くが、では「痴漢が行われることを知りながら鮨詰め運行を続けた疑い」でJRを提訴することはできないのか? JRは痴漢が容易く可能となる過密状態(同時に検挙が極めて困難となる状態)を作り出し、痴漢の手助けをしている。積極的に幇助しているとまでは言えないにしても、ほぼ完全にネグレクトしているのは事実だ。痴漢を「許容している」と言っても良い。

JRはこれを「痴漢はあくまで痴漢が悪い」というモラルの問題に帰結させ、合理的な対策を取らされることから逃げようとしている。「一応対処しました」というポーズがあの女性専用車両なのだろう。そしてこれは更に巧妙かつ悪質な罠であると思う。女性専用車両に乗らない女が悪い、だから痴漢されても仕方がない、というクソ理論の成立を可能にするからだ。痴漢問題に対する女性専用車両というJRの答えは、問題の矛先を逸らし視点をすり替えるためには低コストかつ最高のソリューションだったと言えるだろう。

 

痴漢はあくまで痴漢が悪い、それから痴漢される女も悪い。(何故かJRは槍玉に挙がらない。)

 

ルールを変えて構造的な変革を図るべきなのに、現場の運用とか、当人たちの努力や責任で目先の問題に対処しようとする。日本人の悪いところが良く現れていると思う。これはブラック企業とか、ブラック部活動とか、そういうもの全てに通底する問題だ。個人が攻撃対象になり、その状態を作り出した構造的な問題が隠されるのはすごく愚かだと思う。